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SharePoint Onlineクラシックはいつ廃止される?モダンとの違いと対応策を徹底解説

Microsoftは2027年3月1日と2028年10月1日という具体的な変更スケジュールを発表し、特にクラシックページの新規作成・編集が順次制限されます。

SharePoint Onlineを利用している企業の多くが、クラシックUIからモダンUIへの移行を迫られています。

「自社のSharePoint環境はどちらなのか」「具体的に何が変わるのか」「いつまでに対応すれば良いのか」といった疑問をお持ちの担当者に向け、本記事では廃止の詳細、モダンとの違い、そして移行の進め方まで徹底解説します。

目次

SharePoint Onlineのクラシックはいつ廃止?2027年・2028年の変更点と対象範囲

Microsoftは2027年と2028年の2段階でSharePoint Onlineのクラシック機能を順次制限します。

「いつ、何が使えなくなるのか」「自社環境は対象になるのか」を正確に把握することが、移行計画の第一歩です。

各フェーズの変更内容と対象範囲を整理します。

結論:クラシックUI全体が一斉に廃止されるわけではない

今回の変更において、まず押さえておくべき重要な点があります。

クラシックUIのすべての機能が一斉に使えなくなるわけではありません。

廃止の対象は主に「クラシックページの新規作成・編集」と「カスタムスクリプトの追加・更新」に限定されており、既存のクラシックサイト自体が削除されるわけではありません。

また、リスト・ライブラリのクラシック表示は現時点では廃止対象に含まれていません。

正確な情報を把握した上で、自社環境への影響を冷静に判断することが重要です。

2027年3月1日:クラシック発行サイトの新規作成が停止

2027年3月1日以降、すべてのテナントで、クラシック発行サイトの新規作成とクラシック発行機能の有効化ができなくなります。

対象には、発行ポータルサイトやエンタープライズWikiなどの発行関連テンプレートを使ったサイトコレクション・サブサイトの新規作成が含まれます。

さらに、2027年3月1日以降に作成された新規テナントでは、クラシックページの新規作成と、カスタムスクリプトの追加・更新も制限されます。

既存テナントのクラシックユーザー作成ページが読み取り専用になるのは、2028年10月1日以降です。

2028年10月1日:既存のクラシックページが読み取り専用に

2028年10月1日以降、既存のすべてのテナントにおいて、クラシックユーザー作成ページが読み取り専用となります。

これはフェーズ2の適用であり、既存テナントにもフェーズ1の制限が拡張される形となります。

ユーザーはクラシックページを閲覧することは引き続き可能ですが、ページの新規作成・編集ができなくなります。

カスタムスクリプトの追加・更新も無効化されます。

2028年10月以降も編集が必要なページについては、それまでにモダンへの移行を完了させる必要があります。

変更対象となるページ・カスタムスクリプトと対象外の機能

読み取り専用への変更が適用されるのは、Wikiページ・Webパーツページ・ブログページ・発行ページ・SharePoint DesignerやサードパーティのソリューションによるカスタムASPXページです。

一方、リストビュー・ライブラリビュー・リストフォームページなど、その他のクラシックエクスペリエンスは現時点での廃止対象には含まれていません。

ただし、それらに埋め込まれたカスタムスクリプトはカスタムスクリプトの制限対象となります。

政府機関向けクラウド(GCC、GCC High、DoD)や21Vianet運用環境も変更対象です。

【比較表】SharePoint Onlineのモダンとクラシックの違い8項目

クラシックからモダンへの移行を検討する上で、両者の具体的な違いを理解しておくことは不可欠です。

デザイン・操作性・モバイル対応・Microsoft 365との連携まで、8つの観点から違いを整理します。

比較項目クラシックUIモダンUI
1)画面デザイン・レイアウト固定幅レイアウト+リボンメニュー。デザインの統一感が出にくいフラットでレスポンシブなデザイン。テンプレートで短期間に構築可能
2)操作性・表示速度サーバー側レンダリングのためページ読み込みが遅い傾向クライアント側レンダリングで高速表示。コマンドバーで直感操作
3)スマートフォンへの対応モバイル最適化なし。スマートフォンで表示崩れが発生しやすいレスポンシブデザイン標準対応。SharePoint Mobileアプリとも連携
4)サイトの種類・権限管理SharePoint独自グループで権限管理。他サービスとの一元管理が難しいグループ接続されたチームサイトではMicrosoft 365グループと連携。コミュニケーションサイトなど、グループ非接続のサイトもある
5)ページの作成・編集リボンやWebパーツゾーンを使って編集。高度なカスタマイズでは専門知識が必要になる場合があるセクションと列、モダンWebパーツを使って直感的に編集できる
6)リスト・ライブラリフィルターや書式設定の操作が煩雑。一括更新がしにくい条件付き書式・クイック編集・フィルターパネルで操作性が向上
7)Webパーツ・カスタマイズクラシックWebパーツや従来型カスタマイズを利用可能。構成によって保守・セキュリティ管理が複雑になるSPFx準拠のモダンWebパーツ。ガバナンスを保ちながらカスタマイズ可能
8)Microsoft 365・Power Platform連携従来型のエクスペリエンス。新しいMicrosoft 365機能との組み合わせは個別確認が必要現在のMicrosoft 365エクスペリエンスに合わせて設計。Microsoftは現在・将来のAI活用基盤と位置づけ

1)画面デザイン・レイアウト

クラシックUIは2000年代のWebデザインを踏襲しており、固定幅のレイアウトにリボンメニューが並ぶ構成です。

カスタマイズ余地は広いものの、デザインの統一感に欠けやすく、管理コストも高くなりがちです。

一方、モダンUIはフラットで洗練されたデザインが標準で提供されており、テンプレートを活用することで企業ブランドに合ったサイトを短期間で構築できます。

Microsoftが継続的にモダンUIのデザインを改善しているため、将来的な見た目の一貫性も保ちやすい点がメリットです。

2)操作性・表示速度

クラシックUIはサーバー側でページをレンダリングするため、ページの読み込みに時間がかかる傾向があります。

特に複数のWebパーツを配置したページでは、表示に数秒以上かかるケースもあり、日常的な業務での利用において生産性の低下につながりやすいです。

モダンUIはクライアント側レンダリングを採用しており、表示速度が大幅に向上しています。

また、コマンドバーのシンプルな構成により、操作の直感性も高く、SharePointを初めて使うユーザーでも迷いにくい設計となっています。

3)スマートフォンへの対応

クラシックUIはモバイルデバイスへの対応を前提に設計されていないため、スマートフォンやタブレットからアクセスすると表示が崩れたり操作が難しくなる場合があります。

テレワークやリモートワークが普及した現在、外出先や現場からのアクセスに対応できないことは大きな課題です。

モダンUIはレスポンシブデザインを標準で採用しており、画面サイズに応じて最適なレイアウトで表示されます。

SharePoint Mobileアプリとの連携も充実しており、スマートフォンからの閲覧・操作がスムーズです。

4)サイトの種類・権限管理

クラシックUIでは、チームサイトや発行サイトなどのサイトテンプレートが主体で、権限管理はSharePoint独自のグループ体系で行われます。

モダンサイトの代表例には、Microsoft 365グループに接続されたチームサイトと、通常はグループ接続を前提としないコミュニケーションサイトがあります。

グループ接続されたチームサイトでは、グループのメンバーシップを通じてTeamsやOutlookなどの関連リソースと利用者を管理できます。

一方、クラシックサイトのページをモダン化しただけでは、Microsoft 365グループは自動的に作成されません。

5)ページの作成・編集

クラシックUIでのページ編集は、HTMLやWebパーツの知識が必要なケースも多く、IT部門や特定の担当者に依存しやすい構造でした。

ページのプレビューも実際の表示とは異なることがあり、完成形を確認しながら作業することが難しい環境でした。

モダンUIでは「インラインWYSIWYGエディタ」が提供されており、表示と同じ状態を確認しながら直感的にページを編集できます。

ドラッグ&ドロップによるWebパーツの配置や、セクションレイアウトの変更も簡単に行えるため、非IT担当者でも運用しやすい環境が整っています。

6)リスト・ライブラリ

クラシックUIのリスト・ライブラリは機能的ですが、見た目のカスタマイズやフィルター操作が煩雑な面がありました。

モダンUIのリスト・ライブラリは、列の書式設定や条件付き書式を視覚的に設定できるほか、クイック編集機能で複数行を一括更新することも容易です。

フィルターパネルの操作性も向上しており、大量データの中から目的の情報を素早く見つけられます。

現時点では、リスト・ライブラリのクラシック表示は廃止対象に含まれていませんが、将来的な対応も見据えてモダン表示への慣れを進めておくことが望ましいです。

7)Webパーツ・カスタマイズ

クラシックUIで利用できたWebパーツは、カスタムスクリプトやサードパーティ製の部品が多く、高い柔軟性を持つ一方でセキュリティリスクやメンテナンスコストが高くなりやすい課題がありました。

モダンUIではSharePoint Framework(SPFx)を使用したモダンWebパーツが提供されており、セキュリティガバナンスを保ちながらカスタマイズが行えます。

クラシック専用のWebパーツはモダン環境では動作しないものも多く、移行時には互換性の確認と代替手段の検討が必要です。

SPFxの学習コストが発生する場合もありますが、長期的な保守性は大きく向上します。

8)Microsoft 365・Power Platformとの連携

モダンSharePointでは、TeamsからのSharePointコンテンツ利用や、モダンWebパーツを使ったMicrosoft 365コンテンツの表示など、現在のMicrosoft 365エクスペリエンスに合わせた利用がしやすくなっています。

Power Automate、Power Apps、Power BIなどの利用可否や利用方法は、対象機能、ライセンス、サイト構成によって異なります。

MicrosoftはモダンSharePointを、現在および将来のAI活用エクスペリエンスの基盤と位置づけており、将来の機能活用を見据える観点でもモダン化を検討する価値があります。

自社環境はどちら?SharePoint Onlineのモダン・クラシックの4つの見分け方

「自社のSharePointはモダンとクラシックのどちらなのか」が分からないままでは、移行計画を立てることができません。

管理者でなくても判断できる4つの見分け方を紹介します。

1)コマンドバーとリボンの違いで見分ける

最も簡単な見分け方のひとつが、画面上部のナビゲーション構成です。

クラシックUIでは、画面上部にWordやExcelと同様の「リボン」が表示され、タブを切り替えながら操作するスタイルです。

モダンUIでは、リボンの代わりに「コマンドバー」と呼ばれるシンプルなメニューバーが上部に表示されます。

コマンドバーには必要なアクションだけがアイコン付きで並んでおり、よりすっきりとした印象です。

ページを開いた際に上部のメニューがリボン形式かどうかを確認するだけで、簡単に判別できます。

2)ページ編集画面とWebパーツで見分ける

ページの編集画面を開くことでも、モダン・クラシックを見分けることができます。

クラシックUIでページを編集すると、旧来のリボン付きの編集インターフェイスが表示され、Webパーツの挿入は別ウィンドウからの選択形式となります。

モダンUIでは、画面上の「+(プラス)」ボタンをクリックするとWebパーツのメニューがその場に表示され、ドラッグ&ドロップで自由に配置できます。

編集中のページがリアルタイムでプレビューされる点もモダンUIの特徴であり、操作感の違いで直感的に判別できます。

3)リスト・ライブラリの設定で確認する

リストやドキュメントライブラリの表示モードを確認することでも判別できます。

リストやドキュメントライブラリでは、画面の構成や設定内容から、現在の表示エクスペリエンスを確認できます。

[設定]から[リストの設定]または[ライブラリの設定]を開き、[詳細設定]の[リストのエクスペリエンス]を確認します。

具体的な切り替え方法は、次の「SharePoint Onlineのモダン・クラシックを切り替える方法」で解説します。

また、管理センターの「サイト」設定画面でも、各サイトのサイトテンプレートを確認することで、クラシック系テンプレートが使用されているかどうかを把握できます。

4)Microsoft 365アセスメントツールで一括確認する

テナント全体のクラシック利用状況を一括で把握したい場合は、Microsoftが提供する「Microsoft 365アセスメントツール」が有効です。

このツールを使用することで、クラシックページの存在箇所・Webパーツの種類・カスタマイズパターン・モダン化の実現可能性を一覧で確認できます。

テナント管理者権限が必要ですが、手作業でサイトを個別確認する手間を大幅に削減できます。

廃止の対象となるページが自社環境にどれほど存在するかを定量的に把握するための第一歩として、移行計画の立案前に実施することを推奨します。

SharePoint Onlineのモダン・クラシックを切り替える方法

SharePoint全体を一括してクラシックからモダンへ切り替える機能はありません。

ページ、サイト、リスト・ライブラリでは、モダン化や表示変更の方法が異なります。

ここでは、それぞれの切り替え方法を整理します。

リスト・ライブラリの表示を切り替える

各リスト・ライブラリでは、[リストの設定]または[ライブラリの設定]から[詳細設定]を開き、[リストのエクスペリエンス]で「既定」「新しいエクスペリエンス」「クラシック エクスペリエンス」を選択できます。

個人単位では、画面左下の[従来の SharePoint に戻す]または[クラシック エクスペリエンスの終了]から一時的に切り替えられる場合があります。

設定や機能の互換性により、選択したエクスペリエンスが表示されない場合もあります。

クラシックページをモダンページへ移行する

クラシックページとモダンページは、単純な表示切り替えではありません。

新しいモダンページを作成して内容を再構成するか、Microsoft 365 Assessment Toolで評価したうえで、PnP PowerShellなどによるページ変換を検討します。

モダンページをクラシックページへ戻す標準の逆変換機能はありません。

クラシックチームサイトをモダン化する

クラシックチームサイトでは、新しいモダンページを作成してホームページに設定する方法があります。

また、要件に応じてMicrosoft 365グループへの接続を検討します。

グループ接続とページのモダン化は別の作業であり、ホームページをモダン化しただけではMicrosoft 365グループは自動作成されません。

クラシック発行ポータルを移行する

クラシック発行ポータルは、既存サイトをそのままモダンサイトへ切り替えるのではなく、新しいコミュニケーションサイトを構築し、情報設計を見直してコンテンツを移行する方法が推奨されます。

ページコンテンツの一部はPnPの変換技術を利用できる場合がありますが、完全自動ではなく、ホームページや高度なカスタマイズは手動再構築が必要になることがあります。

SharePoint OnlineのクラシックUIを使い続ける5つのリスク

廃止の対応を先送りにすることには、具体的なリスクが伴います。

業務継続性・セキュリティ・Microsoft 365の活用度といった観点から、クラシックUIを使い続けることで生じる5つのリスクを解説します。

1)対象ページを新規作成・編集できなくなる

最も直接的なリスクは、2028年10月1日以降、対象のクラシックページを編集できなくなることです。

コーポレートサイトの更新や社内情報の発信に使用しているページがクラシック形式の場合、移行が完了していなければ業務上の情報発信が停止してしまう可能性があります。

既存のコンテンツは読み取り専用で閲覧できますが、内容の修正や新規ページの追加ができなくなります。

特に更新頻度の高いページや業務の根幹に関わる情報ページは、早急なモダン移行の検討が必要です。

2)既存のカスタマイズを保守しにくくなる

カスタムスクリプトや独自WebパーツによってSharePointをカスタマイズしている場合、フェーズ移行後はそれらの追加・更新が行えなくなります。

セキュリティパッチの適用や機能改善のためのスクリプト更新ができなくなるため、長期的に見ると脆弱性リスクが高まる恐れがあります。

また、クラシック専用のカスタマイズに依存した業務フローが存在する場合、その部分が事実上「凍結」される形となり、業務改善の障壁となります。

移行前に現行カスタマイズの棚卸しを行い、代替手段への移行計画を立てることが重要です。

3)スマートフォンでの操作性に課題が残る

テレワークや現場業務でのモバイルアクセスが標準化しつつある現在、クラシックUIのままではスマートフォンやタブレットでの操作に支障が出やすい状況が続きます。

クラシックUIはモバイルデバイスへの最適化が不十分なため、文字が小さすぎる・ボタンが操作しにくい・レイアウトが崩れるといった問題が発生しやすいです。

社員の生産性向上やユーザー体験の改善を目指す企業にとって、モバイル対応への遅れは無視できない課題です。

モダンUIへの移行によって、デバイスを問わず一貫した操作性を提供できる環境を整備できます。

4)Microsoft 365の新機能を活用しにくくなる

Microsoftは、モダンSharePointを現在および将来のAI活用エクスペリエンスの基盤として位置づけています。

そのため、クラシック環境への依存を続けると、今後提供される新しいMicrosoft 365機能を十分に活用しにくくなる可能性があります。

なお、CopilotやViva Connectionsなど個別機能の利用可否は、ライセンス、対象機能、サイト構成によって異なります。

将来的なAI活用や業務自動化の基盤を整える意味でも、モダンへの移行は単なる廃止対応にとどまらない重要な投資です。

5)対応を先送りするほど移行負担が大きくなる

クラシックページが蓄積されるほど、移行時の作業量は増加します。

移行対応を先送りにした場合、廃止期限が迫った段階で多数のページを短期間で一括移行しなければならなくなり、業務への影響や品質の低下を招くリスクが高まります。

また、カスタマイズが複雑なページほど移行の難易度も上がるため、早期に着手することで段階的・計画的な対応が可能になります。

今すぐ全ページの移行が難しい場合でも、利用頻度の高いページや重要度の高いコンテンツから優先的に着手することをおすすめします。

SharePoint Onlineをモダン化すべきか判断する5つの基準

ここでは、「モダン化が必要なのはわかるが、どこから手をつければいいかわからない」という担当者のために、自社でモダン化を進めるか・専門家の支援を求めるかを判断する基準を整理します。

1)期限までに社内だけで対応できるか

まず確認すべきは、2028年10月の期限までに社内のリソースだけで移行を完了できるかどうかです。

IT担当者の工数・SharePointの技術知識・移行ツールへの習熟度など、必要なリソースが揃っているかを現状の体制で評価することが重要です。

クラシックページの数が多い場合や、カスタマイズが複雑な場合は、社内対応だけでは期限に間に合わない可能性もあります。

早期に体制を整備し、必要であれば専門会社の支援を検討する判断を早めることが、スムーズな移行につながります。

私たち株式会社BITSCRATCHでは、Microsoft 365製品に精通したエンジニアが、クラシック環境の現状調査からモダン移行の方針策定・構築・運用まで一貫して支援しています。

SharePoint Onlineのモダン化について課題を抱えている方は、サービス資料ダウンロードページやお問合せフォームからお気軽にご相談ください。

2)対象となるクラシックサイト・ページが存在するか

まず現状把握として、自社テナント内にクラシックサイト・ページが実際に存在するかを確認することが第一歩です。

Microsoft 365アセスメントツールや管理センターを活用することで、クラシック形式で作成されたページの数と場所を一覧化できます。

もし対象となるクラシックページが存在しない、または極めて少数であれば、今回の廃止対応における影響は軽微です。

一方で、多数のクラシックページが稼働中の場合は、早期に移行計画を策定して優先順位を決める必要があります。

3)更新頻度や業務上の重要度が高いか

クラシックページが存在していても、まったく更新していない・閲覧もされていないページであれば、移行の優先度は低い場合があります。

逆に、全社員が日常的に参照する社内ポータルや、頻繁に更新が行われる情報発信ページがクラシック形式である場合、廃止後の影響は非常に大きくなります。

Microsoft Purview監査ログを活用してページの閲覧・編集頻度を把握し、業務上の重要度と組み合わせて移行の優先順位を決定することが、効率的な移行計画の鍵となります。

4)独自のWebパーツやスクリプトを使用しているか

標準のクラシックページをそのまま使用しているケースと、カスタムスクリプトや独自WebパーツによってSharePointを拡張しているケースでは、移行の難易度が大きく異なります。

独自スクリプトや社内開発のWebパーツが多数存在する場合、それらのモダンUI対応(SPFx化)が必要になり、開発工数が発生します。

まず現行のカスタマイズ一覧を棚卸しし、モダンUIの標準機能で代替できるもの・SPFx化が必要なもの・廃止可能なものを分類することで、移行コストの試算が可能になります。

5)操作性や情報の探しにくさに課題があるか

社員からSharePointの使いにくさや情報の見つけにくさに関する声が上がっている場合、モダン移行は廃止対応にとどまらないUX改善の機会です。

モダンUIへの移行とあわせて、サイト構成・ナビゲーション・情報分類の見直しを行うことで、社内ポータルとしての活用度を大きく高めることができます。

社内ポータルに掲載すべきコンテンツの選び方については、「社内ポータルに最優先で掲載すべきコンテンツ例7選 | 失敗しない選び方も解説」という記事で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

特に部門を横断して情報を発信する社内コミュニケーション基盤として活用している場合、UX改善による従業員エンゲージメントへのポジティブな効果が期待できます。

廃止対応を単なるシステム移行ではなく、組織内情報活用の改善機会として捉えることが重要です。

SharePoint Onlineのクラシックサイトをモダン化する5ステップ

SharePoint Onlineのモダン化では、システム上の移行だけでなく、情報設計やUI・UX、公開後の運用まで包括的に考えることが重要です。

ページの変換作業そのものは手順通りに進められても、サイト構成の設計や権限の再整備、カスタマイズ対応など、専門知識を要する判断が随所に発生します。

以下では、社内で進める場合の標準的な移行ステップを解説します。

尚、自社のみでの対応が難しい場合は、SharePoint移行の専門家への相談が近道です。

私たち株式会社BITSCRATCHでは、SharePoint社内ポータルサイトの構築・モダン化支援を行っており、情報設計からデザイン・開発・移行後の運用まで一貫して対応しています。

SharePoint Onlineのモダン化について課題を抱えている方は、サービス資料ダウンロードページやお問合せフォームからお気軽にご相談ください。

1)クラシックサイト・ページの利用状況を調査する

まず、テナント全体でクラシック形式のサイト・ページがどこに存在し、どの程度利用されているかを把握します。

Microsoft 365アセスメントツールやMicrosoft Purview監査ログを活用することで、クラシックページの一覧・利用頻度・Webパーツの種類・カスタマイズ状況を可視化できます。

この調査フェーズを丁寧に行うことで、移行対象の全体像が把握でき、後続のステップで発生するリスクを最小化できます。

移行対象外のページを誤って変換してしまうミスも防げるため、まずはこの棚卸しから着手することをおすすめします。

2)重要度と利用頻度から移行の優先順位を決める

調査結果をもとに、どのページを先に移行するかの優先順位を決定します。

閲覧数が多い・編集頻度が高い・業務上不可欠といった観点で重要度を評価し、優先度の高いものから段階的に移行する計画を立てます。

また、移行の複雑さ(カスタマイズの有無・コンテンツ量)もあわせて考慮することで、リソースの集中投下が必要な箇所と、ツールで効率化できる箇所を区別できます。

優先順位の明確化は、移行プロジェクト全体のスコープ管理と工数見積もりの精度を高めるための重要なプロセスです。

3)移行先のサイト構成・テンプレートを設計する

移行先となるモダンサイトの構成・ナビゲーション・権限設計を事前に策定します。

コミュニケーションサイトやチームサイトなど、目的に応じた適切なサイト形式を選択し、ページの情報構造を再設計することが重要です。

クラシックの構成をそのままモダンに移すだけでは、UIが変わるだけで使いやすさは改善されないことがあります。

この設計フェーズで、ナビゲーション・検索設定・アクセス権限・デザインテーマまで含めた全体像を決定しておくことが、移行後の定着率向上につながります。

モダンUIを活用した社内ポータルのデザイン設計については、「見やすい社内ポータルサイトのデザインとは?|8つのポイントと事例も紹介」という記事で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

4)クラシックページを変換または再構築する

設計をもとに、実際のページの移行作業を行います。

標準的なクラシックページはPnP PowerShellや「クラシックページ変換ガイダンス」を使用して自動変換が可能ですが、カスタムHTMLやスクリプトエディターコンテンツを含む複雑なページは手動での再構築が必要になる場合があります。

オープンソースの「SharePoint Page Migration Agent(プレビュー)」の活用も検討できます。

ただし、PnPのモダン化ツールや関連コンポーネントはコミュニティサポートで提供されており、Microsoft公式サポートチャネルのSLA対象ではありません。

また、複雑なページの完全な自動変換は保証されず、再設計や手動での再構築が必要になる場合があります。

複雑なページほど時間と工数がかかるため、設計段階での現実的な見積もりが重要です。

5)動作を検証して段階的に移行・定着させる

変換・再構築したページは、本番公開前に必ず動作検証を行います。

リンクの正確性・レイアウトの崩れ・Webパーツの動作・権限の適用状態など、主要な要素を体系的にチェックリストで確認します。

一度に全ページを移行するのではなく、ウェーブ(波)方式で段階的に移行することで、問題発生時の影響範囲を限定できます。

移行後は利用者へのトレーニングや操作ガイドの提供を行い、モダンUIへの慣れと定着を支援することで、移行プロジェクトの成功につなげましょう。

SharePoint Onlineのモダン移行前に確認すべき7つの注意点

移行を開始する前に確認しておくべき重要な注意点があります。

事前確認を怠ると、移行後にトラブルが発生したり、再作業が発生するリスクがあります。

7つの観点でチェックすべき内容を整理します。

1)インプレースモダン化と新規構築のどちらかを選ぶ

移行の方針として、既存のクラシックサイトを「インプレース(その場)でモダン化する」方法と、モダン形式で「新規サイトを構築してコンテンツを移行する」方法の2通りがあります。

インプレースモダン化はサイトのURLや権限構造を維持できるメリットがある一方、既存の構成が複雑な場合は変換後の品質に限界が生じることがあります。

新規構築は設計の自由度が高く完成度も高めやすいですが、ブックマークやリンクの更新など移行後の調整作業が増える傾向があります。

どちらの方針が自社に適しているかは、既存サイトの複雑さ・コンテンツ量・利用者の状況によって判断することが重要です。

2)ページ・ファイル・リスト・権限を棚卸しする

移行前に、対象サイトのページ一覧・ドキュメントライブラリの構成・リスト・権限グループをすべて棚卸しします。

不要になったページや古いファイルを移行先に持ち込まないよう、整理・削除の判断もこのタイミングで行います。

権限については、クラシックのSharePointグループとモダンのMicrosoft 365グループの違いを理解した上で、移行後の権限体系を設計する必要があります。

特に独自の権限設定が存在するサイトは、移行後に想定外のアクセス制限が発生しないよう、事前に詳細な確認を行います。

3)クラシックWebパーツの互換性を確認する

クラシックUIで利用していたWebパーツは、すべてがモダンUIで動作するわけではありません。

Microsoft標準のWebパーツの多くにはモダン版の対応物が存在しますが、サードパーティ製や社内開発のカスタムWebパーツはSPFx対応が必要になる場合があります。

現在使用中のWebパーツ一覧を作成し、各WebパーツのモダンUI対応状況・代替手段・再開発の要否を事前に整理することで、移行後に「機能が使えなくなった」というトラブルを防ぐことができます。

移行のボトルネックになりやすい部分であるため、優先的に調査を進めることを推奨します。

4)カスタムスクリプトや独自デザインを見直す

クラシックUIでカスタムスクリプトやCSSによる独自デザインを実装している場合、モダンUIへの移行時にこれらは引き継がれません。

モダンUIではカスタムスクリプトの実行が制限されるため、同等の機能を実現するにはSPFxによる再実装が必要になります。

また、独自デザインについても、モダンUIのブランドセンター機能やサイトデザイン機能を活用した代替実装を検討します。

カスタムスクリプトへの依存度が高い環境ほど、移行に要する開発工数が増大するため、早期の見直しと再設計が不可欠です。

5)フォーム・ワークフローなどの周辺機能も確認する

InfoPath 2013クライアントおよびSharePoint Designer 2013は、Microsoft Lifecycle上、2026年7月15日に延長サポートが終了しています。

また、SharePoint OnlineのInfoPath Forms Servicesについても、Microsoftから2026年の廃止が案内されています。

InfoPathフォームを利用している場合は、用途と複雑さを確認したうえで、Power Apps、Power Automate、またはクライアント側開発など、サポートされる代替手段への移行を検討する必要があります。

単純なアンケートや情報収集ではMicrosoft Formsが候補になる場合もありますが、InfoPathの一律な後継製品ではありません。

SharePoint OnlineのSharePoint 2013ワークフローは、2026年4月2日に既存テナントを含め完全に廃止されています。

該当する業務プロセスは、Power Automateまたは別のサポートされるソリューションへ移行する必要があります。

SharePoint Serverでは製品バージョンやワークフロー基盤によって扱いが異なるため、SharePoint Onlineとは分けて確認してください。

SharePointにおける承認ワークフローの構築方法については、「SharePointで承認ワークフローを作る方法【申請フォーム作成からPower Automate連携まで徹底解説】」という記事でも詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

これらの周辺機能はSharePointのページ移行とは独立したプロジェクトとして進める必要がある場合もあり、全体のスケジュールに影響するため、早期の棚卸しと移行計画が重要です。

6)Microsoft 365グループ接続後の権限を設計する

クラシックチームサイトをモダン化する際、Microsoft 365グループに接続する手順を踏む場合があります。

グループ接続後は、SharePoint独自の権限体系に加え、Microsoft 365グループのメンバーシップが権限管理に影響します。

特に、独自の権限継承の解除や固有権限の設定が存在するサイトは、グループ接続後に予期しないアクセス状態になることがあります。

移行前に現行の権限構成を詳細に文書化し、移行後の権限設計と突き合わせて差異がないかを確認する作業を必ず実施します。

7)変換後のリンク・レイアウト・動作を検証する

ページ変換・移行後は、必ず本番公開前に多角的な検証を行います。

内部リンク・外部リンクの正確性、ページレイアウトの崩れ、Webパーツの動作確認、検索インデックスへの反映などを体系的にチェックします。

また、PC・スマートフォン・タブレットなど複数デバイスでの表示を確認し、レスポンシブデザインが正しく機能しているかも検証します。

移行後に問題が発生した際の切り戻し手順も事前に策定しておくことで、万が一のトラブルにも迅速に対応できる体制を整えます。

SharePoint OnlineのクラシックUI廃止に関するよくある質問

SharePoint Online自体も廃止されるのですか?

SharePoint Online自体が廃止されるわけではありません。

今回の変更は、SharePoint Online内のクラシックユーザー作成ページと、発行サイトの一部機能を対象としたものです。

SharePoint Online自体はMicrosoft 365の中核サービスとして継続的に提供され、むしろモダンUIの機能強化・AI連携・Power Platform統合などのアップデートが継続的に行われています。

SharePoint Online全体の廃止と誤解されるケースがありますが、影響範囲はクラシック形式のページ機能に限定されます。

既存のクラシックサイトやページは削除されますか?

既存のクラシックサイトやページが削除されることはありません。

Microsoftは公式に「これらの変更によって、既存のクラシックページのコンテンツが削除または変更されることはない」と明示しています。

ただし、2028年10月1日以降は対象のクラシックページが読み取り専用となるため、コンテンツ自体は残っていても新規作成・編集ができなくなります。

データを失うリスクはありませんが、ページの更新・管理が必要な場合はモダン移行を進める必要があります。

2028年10月以降もクラシックページを閲覧できますか?

2028年10月1日以降もクラシックページは引き続き閲覧できます。

Microsoftは「影響を受けるページは引き続き表示できますが、該当するフェーズが有効になると読み取り専用になります」と明言しています。

つまり、ページのコンテンツを見る・情報を参照するという使い方は継続可能ですが、ページの内容を変更・追加することはできなくなります。

閲覧のみで十分なアーカイブ的なコンテンツは緊急度が低く、活発に更新されているページを優先して移行を進めることが効率的です。

リスト・ライブラリのクラシック表示も廃止されますか?

現時点での廃止スケジュールでは、リスト・ライブラリのクラシック表示は対象に含まれていません。

Microsoftの公式発表によると、「リストビュー、ライブラリビュー、リストフォームページなど、その他のクラシックエクスペリエンスは、現在のスコープに含まれていない」と説明されています。

ただし、「別のタイムラインで対処される可能性がある」とも述べられており、将来的には廃止対象になる可能性もあります。

リスト・ライブラリのクラシック表示への依存度が高い場合も、長期的な観点からモダン表示への移行を視野に入れておくことを推奨します。

モダン化した後にクラシック表示へ戻せますか?

「クラシックに戻せるか」は、対象によって異なります。

モダンページをクラシックページへ戻す標準の逆変換機能はありません。

一方、リスト・ライブラリの表示は、設定や互換性に応じてクラシック表示へ切り替えられる場合があります。

また、Microsoftが定める条件を満たしたクラシックチームサイトのホームページが自動的にモダン化された場合は、旧クラシックページが保持されます。

サイト管理者またはサイト所有者が、保持されたクラシックページを再度ホームページに設定できる場合があります。

ただし、2028年10月1日以降は、対象のクラシックユーザー作成ページを新規作成・編集できなくなるため、移行前に十分な検証を行うことが重要です。

データや権限を維持したままモダン化できますか?

インプレースモダン化では、同じサイト上で既存のドキュメント、リスト、ライブラリを継続利用できる場合があります。

ただし、データや権限が必ず同じ状態で維持されるとは限りません。

Microsoft 365グループへの接続、新規サイトへの移行、固有権限の設定、ページ変換の方法などによって影響が異なるため、事前評価とテストが必要です。

不安な場合はテスト環境でのパイロット移行を行い、本番環境への適用前に影響を確認することを推奨します。

SharePoint Onlineのモダン化が難しい場合は専門会社への相談もおすすめ

SharePoint Onlineのモダン移行は、単純なページの変換作業にとどまらず、情報設計・サイト構成の見直し・権限再設計・カスタマイズ対応など、多岐にわたる専門知識を必要とします。

社内にSharePointの深い知識を持つ担当者がいない場合や、短期間での移行完了が求められる場合は、専門会社への依頼を検討することが現実的な選択肢です。

私たち株式会社BITSCRATCHは、Microsoft 365製品に精通したエンジニアと、Web解析・マーケティングの経験が豊富なプロフェッショナルが連携し、SharePoint社内ポータルサイトの構築・モダン化支援を提供しています。

標準機能だけでは実現できないデザイン性と機能性を両立したポータルを構築し、月次レポートによるアクセス分析・継続的改善サポートまで一貫して対応します。

「既存のSharePointが、読みたくなるWebメディアに」をコンセプトに、社員が自然と使いたくなる社内ポータルの実現を支援します。

SharePoint OnlineのクラシックUIからモダンUIへの移行について課題を抱えている方は、サービス資料ダウンロードページやお問合せフォームからお気軽にご相談ください。

まとめ

SharePoint Onlineのクラシック機能の制限は、2027年3月1日(新規作成停止)と2028年10月1日(読み取り専用化)の2段階で進みます。

対象となるクラシックページは削除されるわけではなく、編集・新規作成ができなくなるという変更です。

早期に自社環境の調査を行い、移行対象の優先順位を決めた上で計画的なモダン化を進めることが、業務への影響を最小化する鍵となります。

社内リソースでの対応が難しい場合は、SharePoint移行の専門会社に相談することも1つの選択肢です。

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