SharePointとは?使い方や基本機能を初心者向けにわかりやすく解説!
「SharePointを導入すると、具体的に何ができるの?」「OneDriveやTeamsと何が違い、自社ではどう使い分けるべき?」といった疑問から、導入すべきか判断できずにいる担当者の方も多いのではないでしょうか。
SharePointはMicrosoft 365に含まれるクラウド型の情報共有プラットフォームで、社内ポータルサイトの構築からドキュメント管理、ワークフロー自動化まで幅広く活用できます。
本記事では、SharePointの基本概念から使い方・料金・導入のポイントまで、SharePoint導入を検討中または使い始めたばかりの情報システム部門・総務担当者の方に向けてわかりやすく解説します。
SharePointとは?

SharePointとは、Microsoft社が提供するクラウド型の情報共有プラットフォームです。
社内ポータルサイトの構築やドキュメント管理、ナレッジ共有など、組織全体で情報を一元管理するための機能が充実しています。
Microsoft 365(旧Office 365)のサービスのひとつとして提供されており、WordやExcelなどOffice製品との高い親和性も大きな特徴です。
まずはSharePointの基本的な概要と、よく比較される他サービスとの違いを整理しておきましょう。
Microsoft 365で使える情報共有サービス
SharePointは、Microsoft 365(旧Office 365)に含まれる情報共有サービスです。
ブラウザからアクセスできるクラウドベースのプラットフォームで、社内ポータルサイトの構築やドキュメントの共有・共同編集、組織横断的なナレッジ管理など、幅広い用途に対応しています。
WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリはもちろん、TeamsやOneDriveとも緊密に連携しており、普段使いのツールとシームレスにつながるのが大きな特徴です。
Microsoft 365ライセンスを導入済みの企業であれば追加コストなしで利用できるプランも多く、比較的導入しやすいサービスといえます。
ファイルサーバーや社内ポータルサイトとの違い
従来のファイルサーバーは社内ネットワーク内でのファイル共有を主目的としており、社外からのアクセスやリアルタイムの共同編集には対応しにくい面があります。
一方SharePointはクラウドベースのため、インターネット環境さえあれば場所を問わずアクセス可能です。
また、独自に構築した社内ポータルサイトとの違いとしては、SharePointがMicrosoft 365との連携を前提に設計されているため、別途開発コストをかけずにポータル機能を実現できる点が挙げられます。
ファイル管理・情報共有・ポータル機能をひとつのプラットフォームで統合できるのがSharePointの強みです。
SharePoint Onlineとオンプレミス版の違い
SharePointには、クラウド上で利用する「SharePoint Online」と、自社サーバーに構築する「SharePoint Server(オンプレミス版)」の2種類があります。
SharePoint OnlineはMicrosoft 365のサブスクリプションに含まれるため、サーバー管理が不要でコストを抑えやすく、現在最も広く導入されている形態です。
一方のオンプレミス版は、自社環境にデータを置くためセキュリティポリシーへの対応がしやすい反面、導入・運用コストが高くなる傾向があります。
なお、オンプレミス版のSharePoint Server 2016・2019は2026年7月14日に延長サポートが終了します。
SharePoint Serverのサポート終了後もオンプレミス環境での運用を継続する場合は、後継製品であるSharePoint Server Subscription Editionへの移行が必要です。
このサポート終了を契機に、クラウドへの切り替えを検討し、SharePoint Onlineへの移行を進める企業も増えています。
近年はクラウドシフトの流れから新規導入の大半はSharePoint Onlineが選ばれており、本記事でもSharePoint Onlineを中心に解説します。
SharePointでできること10選(基本機能の紹介)

SharePointは単なるファイル共有ツールにとどまらず、社内業務を幅広くサポートする多機能プラットフォームです。
以下に代表的な9つの基本機能をご紹介します。
- 社内ポータルサイトの構築:会社のお知らせや部門情報を一か所に集約したポータルを作成できます。
- ドキュメント管理・ファイル共有:クラウド上でファイルを一元管理し、メンバー間でリアルタイムに共有・共同編集が可能です。
- 社内ナレッジの蓄積・共有:マニュアルやノウハウをページ形式で公開し、組織全体で知識を共有できます。
- ワークフローの自動化:Power Automateと連携し、申請・承認フローなどの業務を自動化できます。
- プロジェクト・タスク管理:リスト機能でタスクや進捗を管理し、チームの情報共有に活用できます。
- 社内掲示板・お知らせ配信:全社向けや部門向けのお知らせをわかりやすく配信できます。
- リストを使ったデータ管理・業務管理:Excelライクな感覚でデータを管理でき、業務記録や在庫管理などにも活用できます。
- 外部ユーザーとの安全なファイル共有:社外のパートナーや取引先と、権限を設定した上で安全にファイルを共有できます。
- 他ツールとの連携による業務効率化:TeamsやOneDrive、Power BIなどMicrosoft製品と深く連携し、業務効率を高めます。
- 社内情報の全文検索:複数のサイトやライブラリを横断し、ファイル名だけでなく中身のテキストまで検索できます。メタデータと組み合わせれば、目的の資料にすばやくたどり着けます。
SharePointでできることや具体的な活用事例をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
→ 【完全版】SharePointで何ができる?違いや事例・料金まで徹底解説!
→ SharePointの活用事例3選と6つの活用シーン | メリット・デメリットも紹介
SharePointで覚えておきたい用語

SharePointを使い始める際、独自の用語や概念に戸惑うことがあります。
「サイト」「ライブラリ」「リスト」など、日常的な言葉でも意味が異なる場合があるため、基本的な用語を事前に把握しておくことが大切です。
ここでは、SharePointを運用する上で特によく登場する7つの用語をわかりやすく解説します。
サイト
SharePointにおける「サイト」とは、情報やコンテンツをまとめるための基本単位です。
Webサイトのような構造を持ち、ページ・ドキュメントライブラリ・リストなどを格納する「器」として機能します。
企業全体の情報を集めたトップサイトや、部門ごとのサブサイトなど、階層的に構成することができます。
SharePoint Onlineでは「コミュニケーションサイト」と「チームサイト」の2種類が主に使われており、コミュニケーションサイトは全社向けの情報発信に、チームサイトは特定チームでの共同作業に適しています。
用途に応じて使い分けることが、運用設計の第一歩です。
ドキュメントライブラリ
「ドキュメントライブラリ」とは、SharePointでファイルを保存・管理するための場所です。
Windowsのフォルダと似た感覚で使えますが、バージョン管理・アクセス権限の設定・メタデータの付与など、通常のフォルダよりも高度な機能を持っています。
同一ファイルを複数人で同時に編集する「共同編集」もドキュメントライブラリ上で行われます。
ファイルの変更履歴が自動で記録されるため、誤って上書きしても過去のバージョンに戻せるのも大きなメリットです。
社内で扱うドキュメントの種類や部門ごとにライブラリを分けて管理するのが一般的な運用方法です。
リスト
SharePointの「リスト」は、データを表形式で管理するための機能です。
Excelのスプレッドシートに近いイメージで、タスク管理・備品管理・問い合わせ記録など、さまざまなデータを構造化して管理できます。
各行が1件のレコードとなり、列(フィールド)にはテキスト・数値・日付・選択肢など多様な形式を設定できます。
Excelとの大きな違いは、複数人が同時にアクセス・更新できる点と変更履歴が残る点です。
Power AutomateやPower Appsと組み合わせることで、リストに入力されたデータをトリガーにした自動化や専用アプリとしての活用も可能になります。
ページ
SharePointの「ページ」とは、コンテンツを表示・公開するためのWebページです。
テキスト・画像・動画・ドキュメントなどをレイアウトして、読みやすい情報ページを作成できます。
社内ポータルサイトのトップページや、部署ごとの情報ページ、マニュアルページなど、さまざまな用途で活用されます。
ページの編集はコードを書かなくても、ブロックを並べる感覚で直感的に行えるため、Webの知識がない担当者でも更新しやすいのが特徴です。
作成したページを「ニュース」として全社に配信したり、Teamsのタブに追加したりすることもできます。
Webパーツ
「Webパーツ」とは、SharePointのページを構成するコンポーネント(部品)のことです。
テキスト・画像・動画・ドキュメントライブラリ・ニュース一覧・人物紹介など、多様な種類のWebパーツが用意されており、ページ上に自由に配置してコンテンツを構成します。
ブロックを積み上げるような感覚で操作でき、ドラッグ&ドロップで並び替えることも可能です。
ノーコードでリッチなページを作れるのはWebパーツのおかげといえます。
Power BIのレポートやFormsのアンケートフォームをWebパーツとして埋め込むことで、さらに機能的なページを作成することもできます。
権限グループ
SharePointの「権限グループ」とは、ユーザーのアクセス権限をまとめて管理するための仕組みです。
SharePointでは「閲覧のみ」「編集可」「管理者」など複数の権限レベルが用意されており、ユーザーを権限グループに割り当てることで、サイトやドキュメントへのアクセスを細かく制御できます。
部門ごと・プロジェクトごとに権限グループを設定することで、必要な人だけが必要な情報にアクセスできる環境を実現します。
権限設計を事前に整理しておかないと管理が複雑になりやすいため、導入時にルールを決めておくことが重要です。
バージョン履歴
「バージョン履歴」とは、ドキュメントやページへの変更が自動的に記録される機能です。
ファイルを更新するたびにバージョンが積み重なっていき、過去の特定バージョンに戻したり、誰がいつ何を変更したかを確認したりすることができます。
誤ってファイルを上書き・削除してしまった場合でも、バージョン履歴から復元できるため、業務上のミスを最小限に抑えられます。
メジャーバージョン(公開用)とマイナーバージョン(下書き)の管理も可能で、ドキュメントの承認フローと組み合わせることで、公開前の確認プロセスも整備できます。
SharePointの基本的な使い方

SharePointは多機能なツールであるため、「どこから使い始めればよいか」と迷う方も多いです。
まずは実務で最もよく使われる「ファイル共有・共同編集」と「社内ポータルサイトの作成」の2つの使い方をおさえておくことが、活用の第一歩になります。
それぞれの基本的な操作を確認しておきましょう。
SharePointでファイル共有・共同編集を行う方法
SharePointでのファイル共有は、ドキュメントライブラリにファイルをアップロードし、共有したい相手にリンクを送るだけで完了します。
社内メンバーへの共有はもちろん、社外ユーザーに対しても閲覧専用リンクや編集可能リンクを使い分けて安全に共有できます。
共同編集はWord・Excel・PowerPointファイルを対象に、複数人が同時に同じファイルを開いて編集することが可能です。
誰がどこを編集しているかがリアルタイムで確認でき、コメント機能も活用することでスムーズなやりとりができます。
バージョン履歴も自動で残るため、誤操作時の復元も簡単に行えます。
SharePointサイトで社内ポータルサイトを作成する方法
SharePointを使った社内ポータルサイトの作成は、「コミュニケーションサイト」のテンプレートを選択してサイトを作成するところから始まります。
サイト作成後は、Webパーツを組み合わせてトップページのレイアウトを整え、ニュースやドキュメントライブラリ、リンク集などを追加していきます。
HTMLやCSSの知識がなくても、ブロックを並べる感覚で見栄えのよいポータルを作成できます。
ただし、構成設計や権限設定を誤るとあとから修正しにくくなるため、事前の設計が重要です。
具体的な作り方の手順(画像付き)については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ SharePoint Onlineでの社内ポータルサイトの作り方【画像付きで分かりやすく解説!】
SharePointとTeams・OneDriveの違い
Microsoft 365を使い始めると、SharePoint・Teams・OneDriveの3つのサービスを使う機会が増えてきます。
それぞれ連携している部分もあるため、「どれをどのように使えばいいのか」と混乱しがちです。
3つのサービスはそれぞれ適した用途が異なるため、特性を理解して正しく使い分けることで、情報管理の効率が大きく向上します。
SharePointは組織全体の情報共有に向いている
SharePointは、部門を横断した全社的な情報共有や、社内ポータルサイトの構築に最も適しています。
社員全員がアクセスできる共有ドキュメントや、部署ごとの情報スペースを設けることで、組織全体の情報を体系的に管理できます。
ファイルは部署やプロジェクトごとに整理でき、アクセス権限も細かく設定できるため、情報のセキュリティを担保しながら必要な人に情報を届けることができます。
全社向けのお知らせ配信やナレッジ共有など、「組織全体に向けた情報発信の基盤」として活用するのがSharePointの本来の使い方といえます。
Teamsはチーム単位の会話とファイル共有に向いている
Teamsは、チャットやビデオ会議を中心としたコミュニケーションツールです。
特定のプロジェクトチームや部署内でのリアルタイムなやりとり、会議の開催、タスクの進捗共有に優れています。
TeamsのチャネルにはSharePointのドキュメントライブラリが紐付いており、Teamsから直接ファイルの共有・編集を行うことも可能です。
「今日の会議資料をすぐ共有したい」「チームメンバーとチャットしながらファイルを確認したい」といった、スピード重視の日常的なコミュニケーションにはTeamsが適しています。
SharePointは情報の「蓄積・整理」、Teamsは「会話・連絡」と役割を分けるとわかりやすいです。
OneDriveは個人作業用のファイル管理に向いている
OneDriveは、個人用のクラウドストレージサービスです。
自分だけが使うファイルや、作業途中のドキュメントを保存・管理するのに適しています。
SharePointが組織全体の共有スペースであるのに対し、OneDriveは「個人の作業デスク」のようなイメージです。
他のユーザーと共有することも可能ですが、基本的にはプライベートな領域として使うのが一般的です。
OneDriveに保存したファイルはSharePointやTeamsに移動・共有することもでき、個人作業から組織共有へのスムーズな移行が可能です。
「まず自分で作ってから共有する」という作業フローに自然にフィットします。
迷ったときの使い分け方
3つのサービスで迷ったときは、「誰と・何のために使うか」を基準に考えると整理しやすくなります。
全社・全部門で共有したい情報や長期的に蓄積・参照するドキュメントは「SharePoint」に保管します。
特定のチームやプロジェクトメンバーとのリアルタイムなやりとりや共同作業は「Teams」を使います。
自分だけが使う作業中のファイルや個人的な資料は「OneDrive」に保存します。
それぞれの役割を社内でルール化しておくことが、ツールの定着と情報の散乱防止につながります。
迷ったら「組織はSharePoint、チームはTeams、個人はOneDrive」と覚えておきましょう。
SharePoint Onlineの料金と利用できるMicrosoft 365プラン

SharePoint Onlineは、単体プランのほかにMicrosoft 365の各種ビジネスプランやエンタープライズプランにも含まれています。
どのプランを選ぶかによって使える機能やコストが異なるため、自社の規模・用途に合ったプランを選ぶことが重要です。
主要な3つのプランの特徴を確認しておきましょう。
SharePoint Online単体プラン
SharePointの機能だけを利用したい場合に選べる単体プランです。
「SharePoint Online プラン1」と「SharePoint Online プラン2」の2種類があります。
プラン1はファイル共有や社内ポータルサイトの基本的な機能を含み、小規模な利用に向いています。
プラン2はプラン1の機能に加えて、より大容量のストレージや高度な情報管理機能(コンプライアンス・eDiscoveryなど)が利用可能です。
WordやExcelなどのOfficeアプリは含まれないため、Office製品も必要な場合はMicrosoft 365のビジネスプランを選ぶ方がコストパフォーマンスが高いです。
Microsoft 365 Businessプラン
中小企業向けのMicrosoft 365 Businessプランには、SharePoint Onlineが含まれています。
「Business Basic」「Business Standard」「Business Premium」の3段階があり、上位プランになるほどOfficeアプリの使用範囲や高度なセキュリティ機能が追加されます。
SharePointだけでなく、Teams・OneDrive・Exchange(メール)・Officeアプリをひとつのライセンスで利用できるため、Microsoft 365をまだ導入していない企業が情報共有基盤を整えるにあたってコストパフォーマンスの高い選択肢です。
ユーザー数は最大300人までという制限があるため、大規模企業はEnterpriseプランの検討が必要です。
Microsoft 365 Enterpriseプラン
大企業・エンタープライズ向けのMicrosoft 365 Enterpriseプランも、SharePoint Onlineを含んでいます。
「F1」「E1」「E3」「E5」などのプランがあり、ユーザー数の上限なしでの利用が可能です。
上位プランでは情報ガバナンス・コンプライアンス管理・高度なセキュリティ機能(Microsoft Defender連携など)も利用できます。
組織全体でのSharePoint活用を見据えたポータル構築や、厳格なセキュリティポリシーへの対応が必要な企業にはEnterpriseプランが適しています。
なお、料金はMicrosoftの価格改定によって変動するため、最新情報はMicrosoft公式サイトでご確認ください。
SharePointを導入するメリット

SharePointを導入することで、情報管理の効率化やセキュリティ強化など、さまざまなメリットが得られます。
特にMicrosoft 365をすでに利用している企業にとっては、追加投資を最小限に抑えながら情報共有基盤を整備できる点が魅力です。
代表的な3つのメリットを見ていきましょう。
社内情報を一元管理しやすい
SharePointを活用することで、これまでメールやUSBメモリ、個人PCのローカルフォルダなどに散在していた社内情報をひとつのプラットフォームに集約できます。
部署ごとのドキュメント、社内規程、マニュアル、会議資料などをSharePointにまとめることで、「どこにあるかわからない」「古いバージョンのファイルを使ってしまった」といった問題を減らすことができます。
検索機能により必要なファイルやページをすばやく見つけられる点も業務効率の向上につながります。
情報の属人化防止にも効果的で、担当者が変わっても組織の知識が引き継がれやすくなります。
場所を問わずファイルにアクセスできる
SharePoint Onlineはクラウドサービスのため、インターネット環境があればオフィス外からでもアクセスできます。
テレワークや出張中でも社内と同じ環境でファイルを確認・編集できるため、リモートワーク環境の整備にも有効です。
スマートフォンやタブレットからも利用できるため、外出先での確認作業もスムーズです。
従来のオンプレミス型ファイルサーバーはVPN接続が必要なケースも多く、速度面や手間の面で課題がありましたが、SharePoint Onlineではそのような制約を大幅に軽減できます。
働き方の多様化が進む現代において、場所を選ばないアクセス性はSharePointの大きな強みのひとつです。
セキュリティと権限管理を強化できる
SharePointはMicrosoftのエンタープライズ向けセキュリティ基盤の上に構築されており、データの暗号化・多要素認証・条件付きアクセスなど、高水準のセキュリティ機能を備えています。
さらに、ドキュメントやサイトごとに閲覧・編集・管理の権限を細かく設定できるため、「情報の公開範囲をコントロールしたい」というニーズにも対応できます。
機密性の高い人事情報や財務データは特定のグループにのみアクセスを限定するといった運用も容易です。
情報漏えいリスクの低減やコンプライアンス対応を強化したい企業にとって、SharePointの権限管理機能は導入の大きな理由のひとつになります。
SharePointを導入するデメリット

SharePointは多機能で便利な反面、導入・運用にあたって押さえておくべきデメリットや注意点もあります。
事前に課題を把握しておくことで、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
特にありがちな2つのデメリットを確認しておきましょう。
初期設計を誤ると情報が散らかりやすい
SharePointは自由度が高い反面、サイト構成やフォルダ設計を事前に整理せずに使い始めると、情報があちこちに散在して管理しにくい状態になりやすいです。
「とりあえず使い始めて後から整理しよう」という進め方では、利用者が増えるにつれてファイルの場所がわからなくなったり、重複したドキュメントが増えたりするリスクがあります。
特に、チームやプロジェクトが増えるたびにサイトやライブラリが乱立するケースは要注意です。
導入前に「何をどこに置くか」の設計ルールを決め、全社員が理解できるシンプルな構成にすることが、長期的な運用を成功させる鍵になります。
社内に使い方が定着するまで時間がかかる
SharePointはExcelやWordに比べると操作が複雑で、利用者が使い方を覚えるまでに時間がかかるケースがあります。
特に、サイト・ライブラリ・リスト・ページといった独自の概念は、初めて使う社員にとってわかりにくいと感じることが多いです。
管理者側が環境を整えても、現場社員が積極的に使わなければ定着しません。
使い方マニュアルの整備や、よく使う機能に絞ったシンプルな導線設計、研修の実施など、導入後の社内浸透施策を計画的に進めることが重要です。
「作って終わり」ではなく、継続的な改善と周知活動がSharePoint活用成功のポイントとなります。
SharePointが向いている企業・向いていない企業

SharePointはMicrosoft 365との高い親和性や豊富な機能が魅力ですが、すべての企業に最適とは限りません。
自社の規模・IT環境・運用体制によっては、導入メリットを十分に活かせないケースもあります。
導入を検討する前に、自社がSharePointに向いているかどうかを確認しておきましょう。
向いている企業
すでにMicrosoft 365を導入している企業
Microsoft 365を契約済みの企業であれば、SharePointを追加コストなしで、またはわずかな追加費用で利用できます。
WordやExcel、Teamsなどのツールとシームレスに連携できるため、既存の業務環境を大きく変えずに導入できます。
複数拠点・リモートワークがある企業
複数拠点での業務やリモートワークを導入している企業では、インターネット環境さえあれば場所を問わずファイルへアクセスできるSharePointが力を発揮します。
拠点間の情報共有をリアルタイムで行えるため、コミュニケーションのタイムラグも解消しやすくなります。
セキュリティ・権限管理を重視する企業
情報漏えいリスクへの対策や、部署・役職ごとに細かく閲覧・編集権限を設定したい企業には、SharePointの高度なセキュリティ機能と権限管理の仕組みが適しています。
社内ポータルサイトを整備したい企業
「情報がバラバラで社員が必要な情報にたどり着けない」という課題を抱えている企業には、SharePointで社内ポータルサイトを構築することが有効な解決策になります。
ノーコードで見やすいポータルを作成でき、専任の開発者がいなくても運用を続けやすい点が魅力です。
生産性向上やナレッジ共有を進めたい企業
属人化したノウハウや散在するマニュアルを組織全体で共有したい企業には、SharePointのページ・ドキュメントライブラリ機能を活用したナレッジ共有基盤の構築が効果的です。
情報を一元管理することで業務の重複や無駄を減らし、生産性の向上につなげることができます。
向いていない企業
Microsoft製品をほぼ使っておらず、今後も使う予定がない企業
Google WorkspaceやSlackなど他のプラットフォームを中心に業務を行っており、Microsoft製品への移行予定がない企業にとっては、SharePointの導入メリットを十分に活かしにくい場合があります。
その場合は、現在のツールと親和性の高い情報共有サービスを検討するのもひとつの選択肢です。
ごく少人数で、ファイル共有がOneDriveや他ツールで十分足りている企業
数名規模のチームで、すでにOneDriveやGoogle ドライブなどでファイル共有が完結している場合は、SharePointの多機能さがかえって運用の負担になることもあります。
現状の課題が解決できているうちは無理に導入せず、組織の規模や情報管理の複雑さが増してきたタイミングで改めて検討するとよいでしょう。
SharePointの導入・活用でつまずきやすい5つのポイント

SharePointは導入から定着までの過程でつまずきやすいポイントがいくつかあります。
「導入したけれどうまく活用できていない」という企業に共通する課題を事前に把握しておくことで、スムーズな立ち上げにつなげましょう。
よくある5つのつまずきポイントを解説します。
1. サイトやフォルダの設計が複雑になりすぎる
SharePointでよくある失敗のひとつが、サイトやフォルダの構造が複雑になりすぎることです。
部署ごと・プロジェクトごとにサイトやサブサイトを次々と作っていくと、全体像が見えにくくなり、必要な情報がどこにあるかわからなくなります。
また、ライブラリ内のフォルダを深く掘り下げすぎると、SharePointの検索・メタデータ機能のメリットを活かしにくくなります。
設計の際は「フォルダ階層は3階層まで」「サイトは目的単位でシンプルに作る」などのルールを設けて、利用者が迷わない構成を意識することが重要です。
2. 権限設定のルールが整理されていない
SharePointでは柔軟な権限設定ができる分、ルールを決めずに設定を進めると権限が複雑に絡み合い、管理が難しくなることがあります。
「誰がどの情報にアクセスできるか」を事前に整理しないまま運用を始めると、特定の社員が必要な情報にアクセスできなかったり、逆に閲覧すべきでない情報が見えてしまったりといったトラブルが起きやすいです。
導入前に「権限の種類」「グループの分け方」「誰が権限管理を担当するか」を明確にし、運用ルールとして文書化しておくことが大切です。
3. TeamsやOneDriveとの使い分けが曖昧になる
SharePoint・Teams・OneDriveはそれぞれ連携しているため、「どこにファイルを置けばいいのか」が曖昧になりがちです。
Teamsでファイルを共有するとSharePointのライブラリに保存される仕組みになっているため、知らないうちにファイルが複数の場所に散在してしまうことがあります。
社内でルールを決めずにそれぞれが自由に使い始めると情報の所在が不明確になり、管理コストが上がります。
「組織共有はSharePoint」「チーム内作業はTeams」「個人管理はOneDrive」という基本ルールを周知徹底することが、混乱を防ぐ第一歩です。
4. 社員に使い方が浸透せず定着しない
いくら優れた環境を構築しても、社員が実際に使ってくれなければSharePointは形骸化してしまいます。
これは多くの企業が直面する課題です。
特に、これまでメールやローカルのファイルサーバーに慣れていた社員にとって、SharePointへの移行は行動変容を求めるものです。
定着させるためには、操作マニュアルの提供に加えて「なぜSharePointを使うのか」という目的・メリットの説明が欠かせません。
また、まず特定の業務やチームで小さく成功体験を作り、社内に横展開していくアプローチが効果的です。
5. 作って終わりになり運用改善が進まない
SharePointのサイトやポータルを構築しただけで満足してしまい、その後の改善・更新が滞るケースも多く見られます。
コンテンツが古いまま放置されたり、利用されていないページやリストが増えたりすると、社員のSharePointへの信頼が低下し、利用率が落ちてしまいます。
SharePointは一度作ったら終わりではなく、実際の利用状況を見ながら継続的に改善していくものです。
定期的にコンテンツを見直す担当者を決め、アクセス状況のチェックや不要ページの整理を習慣化することが、長期的な活用につながります。
SharePointを社内で定着させる5つの運用ポイント
SharePointの導入後、社内に定着させるためには適切な運用設計が不可欠です。
ツールを入れただけでは活用されないことが多く、運用の仕組みづくりが成否を左右します。
ここでは、SharePointを社内に根付かせるために実践すべき5つのポイントを解説します。
1. 何をSharePointで管理するか決める
SharePointを活用するための第一歩は、「何をSharePointで管理するか」を明確にすることです。
あれもこれも移行しようとすると利用者が混乱してかえって使いにくくなります。
最初は「全社共通のマニュアルと規程類をSharePointで一元管理する」「各部署の議事録・報告書をSharePointに集約する」など、具体的な用途を絞り込むことが重要です。
まず優先度の高い用途からスタートし、社員が使い慣れてきた段階で活用範囲を広げていくアプローチが定着への近道です。
利用目的が明確であるほど、社員もSharePointを使う理由を理解しやすくなります。
2. サイト構成とフォルダ設計をシンプルにする
SharePointのサイト構成やフォルダ設計は、できる限りシンプルに保つことが運用のコツです。
「部署名+資料種別」程度のシンプルな階層構成を基本にし、深いフォルダ階層を作りすぎないようにしましょう。
SharePointにはメタデータ(タグ付け)による分類機能があるため、フォルダではなくメタデータで整理する方法も有効です。
サイト構成が複雑になると管理コストも増大するため、定期的に使われていないサイトやライブラリを棚卸しする習慣もあわせて持っておくとよいでしょう。
シンプルな構成は利用者のストレスを減らし、SharePointへのアクセスを自然に促します。
3. 権限ルールを事前に整理する
SharePointの権限設定は、導入前に整理しておくことで後々の管理負荷を大幅に下げられます。
まず「閲覧のみ」「編集可」「管理者」など権限レベルの種類を明確にし、部署・チーム・役職に応じたグループ設計を行いましょう。
基本は「できるだけ上位のサイトで権限を設定し、サイト全体に継承させる」構成にすることで、ライブラリやリストごとに個別設定する手間を省けます。
また、権限変更の申請手順・担当窓口を決めておくと、人事異動や組織変更にも対応しやすくなります。
権限ルールをドキュメント化して社内で共有しておくことも重要です。
4. 社員向けの使い方マニュアルを用意する
SharePointを社内に定着させるためには、利用者が操作方法を自己解決できる環境を整えることが重要です。
Microsoftの公式ヘルプは情報量が豊富ですが、初心者には難しく感じることも多いため、自社の運用に合わせたわかりやすいマニュアルを用意することをおすすめします。
「ファイルのアップロード方法」「共有リンクの送り方」「ページの更新手順」など、よく使う操作をスクリーンショット付きで解説するだけでも効果的です。
マニュアル自体をSharePointのページやドキュメントライブラリに置くことで、「SharePointでSharePointの使い方がわかる」状態を作れます。
5. 定期的にサイトやファイルを見直す
SharePointは運用開始後も定期的なメンテナンスが必要です。
時間が経つにつれて、使われなくなったサイト・古いドキュメント・権限設定の乱れが蓄積し、利用者にとって使いにくい環境になってしまいます。
月に1回程度、ドキュメントライブラリの整理・古いページの削除・権限の棚卸しを行うサイクルを作りましょう。
また、アクセス数やページビューを確認し、よく見られているコンテンツの充実や利用されていない機能の見直しに役立てることも効果的です。
「育てるプラットフォーム」として継続的に改善し続けることが、SharePoint活用の成功につながります。
SharePointの導入・運用に不安があるならプロへの相談もおすすめ

「SharePointを導入したいけれど、どこから手をつければいいかわからない」「サイトを作ったはいいものの、社員にほとんど使われていない」といったお悩みを抱えている情報システム部門・総務担当者の方は、ぜひ専門会社への相談を検討してみてください。
弊社株式会社BITSCRATCHは、SharePoint Onlineを活用した社内ポータルサイトの構築・運用支援を得意としています。
Microsoftパートナー企業出身のエンジニア・デザイナー・マーケターが連携し、「見られないポータル」を「社員が集まるWebメディア」へと変革する支援を行っています。
標準機能では難しいデザインのカスタマイズはもちろん、「お知らせ未既読機能」などSharePoint標準にはない機能の実装、アクセス数・読了率を可視化する運用解析まで対応。
構築して終わりではなく、月次レポートや改善提案を含む継続的な運用サポートで、社内への定着まで伴走します。
SharePointの導入・リニューアル・活用に課題を感じているなら、まずはお気軽にご相談ください。
→ SharePoint社内ポータルサイト構築サービス|株式会社BITSCRATCH
SharePointに関するよくある質問
SharePointは無料で使えますか?
SharePointは完全無料では利用できず、Microsoft 365のライセンスまたはSharePoint Online単体プランの契約が必要です。
ただし、Microsoft 365の無料試用版を利用すれば、一定期間SharePointの機能を試すことができます。
SharePointとTeamsの違いは何ですか?
SharePointは組織全体の情報を蓄積・整理する情報基盤として、Teamsはチーム内のリアルタイムな会話や連絡に適しています。
なお、Teams上で共有したファイルは実際にはSharePointのドキュメントライブラリに保存される仕組みになっています。
SharePointとOneDriveの違いは何ですか?
SharePointは組織・チームでの情報共有に、OneDriveは個人の作業ファイル管理に向いており、それぞれ用途が異なります。
OneDriveに保存したファイルは後からSharePointに移して、チーム全体で共有することもできます。
SharePointとExcelの違いは何ですか?
Excelが個人での表計算・データ整理に向いているのに対し、SharePointのリストは複数人による同時更新・変更履歴の記録・権限管理ができる業務データ管理向けの機能です。
大量のデータを複数人で共同管理する場合は、Excelよりもリストの活用が適しています。
SharePoint Serverのサポートはいつ終了しますか?
SharePoint Server 2016・2019は、2026年7月14日に延長サポートが終了します。
それ以降もオンプレミス環境で継続利用したい場合はSubscription Editionへの移行を、クラウドへの移行を検討する場合はSharePoint Onlineへの切り替えが必要です。
まとめ
本記事では、SharePointの基本的な概要から機能・使い方・料金・メリット・デメリット、そして導入・運用のポイントまでを解説しました。
SharePointはMicrosoft 365に含まれるクラウド型の情報共有プラットフォームで、社内ポータルサイトの構築・ドキュメント管理・ワークフロー自動化など幅広い用途に活用できます。
一方で、初期設計や権限管理を丁寧に行わないと、情報が散乱したり定着しなかったりするリスクもあります。
「何をSharePointで管理するか」を明確にし、シンプルな構成と継続的な改善を心がけることが成功への近道です。
導入や運用に不安がある場合は専門会社へ相談することも選択肢のひとつ。
まずは小さく始めて、組織に合った活用方法を見つけていきましょう。